幕末長州萩の松下村塾で高杉晋作・久坂玄瑞・吉田稔麿・伊藤博文・山県有朋・井上馨ら尊王攘夷派の志士、明治の元勲を多く輩出した、明治維新の精神的理論的指導者、吉田寅次郎こと吉田松陰先生のTシャツです。
言わずと知れた、明治維新の大黒柱・長州の礎となった超行動派先生ですが、ちょっとその生涯を振り返ってみます。
9歳のときに明倫館の兵学師範に就任。11歳のとき、藩主・毛利慶親への御前講義の出来栄えが見事であったことにより、その才能が認められ、13歳のときに長州軍を率い西洋艦隊撃滅演習を実施。15歳で山田亦介より長沼流兵学の講義を受け、山鹿流、長沼流の江戸時代の兵学の双璧を収めることとなったという早熟の天才。
アヘン戦争で清が西洋列強に大敗したことを知って山鹿流兵学が時代遅れになったことを痛感すると、西洋兵学を学ぶために九州に遊学。ついで、江戸に出て佐久間象山、安積艮斎に師事。さらには交流を深めていた肥後藩の宮部鼎蔵と山鹿素水にも学び、翌年からはわざわざ脱藩してまで東北遊学に出ます。
ペリーが浦賀に来航すると、師の佐久間象山と黒船を遠望観察し、西洋の先進文明に心を打たれます。まず同郷で足軽の金子重之輔と長崎に寄港していたプチャーチンのロシア軍艦に乗り込もうとするも、ヨーロッパで勃発したクリミア戦争にイギリスが参戦した事から同艦が予定を繰り上げて出航していた為に果たせず。
それでもめげず、今度はペリーが日米和親条約締結の為に再航した際に、やはり金子重之輔と二人で、海岸につないであった漁民の小舟を盗んで旗艦ポーハタン号に漕ぎ寄せ、乗船。しかし、渡航は拒否されて小船も流されたため、下田奉行所に自首し、伝馬町牢屋敷に投獄されてしまいます。
幕府の一部ではこのときに象山、松陰両名を死罪にしようという動きもありましたが、川路聖謨の働きかけで老中の松平忠固、老中首座の阿部正弘が反対したために助命、国許蟄居となります。
長州へ檻送された後は野山獄に幽囚されます。出獄を許されたた後も、杉家に幽閉の処分となりますが、2年後、叔父が主宰していた松下村塾の名を引き継ぎ、杉家の敷地に松下村塾を開塾。
この松下村塾において松陰は久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋、吉田稔麿、入江九一、前原一誠、品川弥二郎、山田顕義、野村靖、渡辺蒿蔵、河北義次郎などの面々を教育していきました。
この有名な塾は、一方的に師匠が弟子に教えるものではなく、松陰が弟子と一緒に意見を交わしたり、文学だけでなく登山や水泳なども行なうという「生きた学問」だったといわれています。
幕府が無勅許で日米修好通商条約を締結したことを知ると松蔭は激怒し、間部要撃策を提言します。
間部要撃策とは、老中首座間部詮勝が孝明天皇への弁明の為に上洛するのをとらえて条約破棄と攘夷の実行を迫り、それが容れられなければ討ち取るという超過激な策。
松陰は計画を実行するため大砲などの武器弾薬の借用を藩に願い出るも、拒絶されます。
しかし今度は伏見にて大原重徳と参勤交代で伏見を通る毛利敬親を待ち受け京に入るという、伏見要駕策への参加を計画。
これには久坂玄瑞、高杉晋作や桂小五郎ら弟子の多くも反対もしくは自重を唱えて松蔭を思い留まらせますが、この一連の策に対する藩政府の対応に不信を抱くようになり、草莽崛起論を唱えるようになります。
さらには、幕府が日本最大の障害になっていると批判し、倒幕論をも展開。結果、藩に危険視され、再度、野山獄に幽囚されてしまいます。
最後は安政の大獄に連座し、江戸に檻送されて伝馬町牢屋敷に投獄され、老中暗殺計画である間部要撃策を自ら進んで告白。結果、伝馬町牢屋敷にて斬首刑に処されました。享年30（満29歳没）
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https://bushoojapan.com/jphistory/baku/2018/04/15/112054
改めてこうして振り返っても、まったく留まることのない飽くなき行動力…
死後も影響を与え続けるエネルギッシュな魂は、年表を見ているだけでも感じられます。
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